■オクラ
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ここから出てくる用語は僕の栽培経験から勝手に作った言葉で強引にその用語の解説で話を進めて
いくことをご了承下さい。
オクラとはある程度、生長した株の先端の新芽を覆ってるトンガリ部分のことを言い、生長具合は
ここで判断してます。オクラの中は新芽と次のオクラが納まっていて、右の画像のようにオクラか
ら新しい葉が出てきます。オクラから葉が出切った頃には次のオクラが確認できます。
次オクラの状態からだいたいの調子が確認出来ます。新しい葉が出るたびにオクラのサイズが徐々
に小さくなっていくようなら何か栽培環境に問題があるので、手身近なところから原因を探ってい
きましょう。先ずは水やりを一時停止して様子を見て下さい。急激に明るい環境に移すと、葉が驚
く場合もありますので、元の位置→中間の位置→窓際の明るい位置へと、約ニ週間に分けて徐々に
環境を変えていくのが安全です。僕が相談される話の原因の殆どは光量不足の環境での水の与え過
ぎからくる根の不調が一番多いです。活発な光合成があっての水分の吸上げですので、先ずはその
辺のバランスを見極めて下さい。
調子がよくなってくるとオクラの膨らみというか中のつまり具合は格段に違ってくるのですが、環
境を変えてからオクラの手応えが解るのは今のオクラよりも二つ三つ先の話ですので、焦らずに様
子を見て下さい。その間の水やりは極力絞って下さい。季節にもよりますが、基本的な水やりの見
極めは鉢土の表面が乾いた後に、鉢土に指を第一間接ほど入れてみて指にほぼ水気を感じなければ
水をたっぷり与えてあげて下さい。
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■子どもと大人
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葉姿は別として、新葉が出てくる状態の違いで判断しています。右の画像ならAはオクラからでは
なく、前葉の葉茎元から分離して出たタイプで、その状態を子どもと判断し、BやCはオクラから
出たタイプなので大人と判断します。
AとBCの違いはというと、葉茎の根元の断面がV型っぽいのがAで、目玉のような○型な断面が
BCになります。これでオクラから増えた葉なのかそうでない葉なのかという判断が出来るのです
が、正直なところ大人というよりも中学生くらいです。ま、大人と子どもの中身は全然違います
が、外見的には似たような感じというニュアンスです。
何かもっと明快な説明が無いかなと考えていたところ、新葉が安定してオクラで出だす頃には左下
の画像のように茎元辺りにトゲトゲが生えるようになります。葉もそこそこの立派なサイズになる
とトゲの長さも少し長くなります。トゲトゲと言っても棘のように痛いものではなく、焼き魚の背
びれのようなモンです。ま、大人だけにトゲ=毛ということで強引にムフフ寄りな判断基準もいい
でしょう。Aは要苗、Bの状態を子供、長めのトゲトゲが生えたら大人ということにしま…ぁ、や
っぱり高校生かなぁ。
あと、BからAに退化する場合もあるのですが、この時は要注意です。右の画像だとAよりもCの
方が古い葉だと茎元の位置から判断出来ると思うのですが、Cはオクラから出たタイプのはずなの
に、それより後に出たAは子どもに退化しています。この頃の天候は雨が多く気温も低かったの
で、そういうことが退化につながったのかなと思っています。それからは好天に恵まれたのでAの
後は大人に戻ってくれました。この時は徐々にではなく、突然だったので驚きました。
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■段(トップと壁)
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セロームの幹部の目玉模様を指して使う単位のことを段と言っています。トップはオクラから古い
葉の順に数えて6葉茎目までのことで、壁はそこから幹部の根元までのことを言います。セローム
の特徴の一つとして壁に目玉模様がありますがこれは落葉した葉茎の跡です。
先ずお手持ちの株を確認して頂きたいのですが、目玉模様でも葉茎のどちらでも構いませんが、一
つの目玉を基準として横に並んでいる目玉を数えていって下さい。少し螺旋気味ですが5目玉で幹
部を一周していると思います。確認し辛いのならセロームの葉茎の数で確認して下さい。葉の数が
5〜7枚はある方は鉢植えを真上から見てオクラを中心に葉茎が幹を一周するのを数えて欲しいの
ですが、おそらく5茎目で壁を一周しているのが確認出来ると思います。この一周を一段と言って
ますが、この先にどれだけ大きく成長しても一段の葉の数は同じなので6枚目の葉が出たとすれば
二段目(二周目)と数えます。
セロームは成長していくうちに古い葉から頭が垂れていきます。それがどういう状況なのか確認し
てしてみましょう。先ず、トップから古い順に生えている葉茎の角度を見比べていって下さい。オ
クラが真上に生えている角度を0度として、古くなっていく葉の順で角度がついていって壁から生
えている葉茎は鉢土と水平の状態、つまりオクラに対して90度の状態で生えていると確認出来ま
す。つまり葉が古くなって垂れたわけでなく茎元の生える角度が変わっただけのことです。
光が充分に当っている葉茎は太く短くなります。なのでトップから壁に移動しても葉を維持する力
はそこそこあります。一方、光が不足気味な葉茎は細く長くなるので、物理的に葉は垂れ易くなり
ます。余りにも垂れすぎて我慢出来ない場合にはカットしちゃいたくなるのですが、茎元の位置が
Bだと90度に達していないので壁というよりも傾斜になってしまうので、何とかCの位置になる
まで我慢して下さい。Cの位置だからといって、一度に何枚もカットしてしまうと生長に影響も出
るので、計画的にカットしていって下さい。一般的な?室内の環境でも冬でも成長はしますがシー
ズン中の勢いはありませんので、冬季の剪定もなるだけ控えてあげた方がいいと思います。
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■揺らし
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園芸の用語かどうかはしりませんが、他でも使っている方がいたような記憶がございます。意味は
風通しのことを言います。植物にある程度の揺らし(風)を与えていると根は強く張り、葉姿もシャ
ープになり葉の淵のヒダも大きく出ます。
風と葉のヒダの関係についてはまだ光や雨の関係もあるのでは?と疑っていますので断定でしかあ
りません。ただ、明らかに室内で育てた葉の状態と屋外で育てた葉の見た目の差は左と右の画像の
違いで確認出来ると思います。左が屋外育ちの葉なのですが、紙飛行機だと言い過ぎかもしれませ
んけど、折り目や葉の周りのひだが深く、かなりの雨風でも雨水を切り凧のように形を留めて風の
中を泳ぎますが、屋内育ちは水切りも悪く濡れた新聞紙のようになってしまい、その差は歴然で
す。
仕事場ではそう風を当てることが出来ませんので、定期的に右下の画像のようにサーキュレーターで風を強制的に当てています。
サーキュレーターは扇風機とは風の質が違い、羽の形が換気扇タイプなので空気の塊がストレート
に押し出てくる感じです。用途は室内の空気を循環させるためのものなのでエアコンの補助や焼肉
のような室内のにおいが気になる料理の場合は強制換気器具として年中使用出来るのでお得です
が、空気一本勝負みたいな雰囲気がありますので首振り機能やタイマー等の気の利いた機能の機種
は少数です。※時季によって表示価格が違い、5月頃からが旬な価格かと
揺らしの時間は約1時間半ほどですが、効果は以前よりも成長に力強さを感じれるようになりまし
た。あと関連としては株元の空気も動くことになるので、鉢土からのカビは生えにくくなると思い
ます。勿論、この時季(一月)なので水やりの気を抜くと用土は水分過多気味になるのですが、今の
ところ未だ一度もカビは生えてません。勿論、扇風機でも効果は同じだと思います。所詮は紛い物
の風を1時間程度浴びせるだけで屋外の環境と同等になれるほど都合よくはいきません。昨シーズ
ンに屋外でギリギリの時季までベランダで育てた株を室内に移してから開いた葉とベランダギリギ
リの葉を比較すると室内で開いた葉のヒダは小さくなりました。剛性もそこそこで成長出来る平た
い葉になるのでしょうね。
※植え替え時の株やハイドロは株元が不安定なので、
揺らしの際には倒れないように慎重に様子を見て下さい。
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